名古屋大学人文学研究科 Graduate School of Humanities / School of Humanities

美学美術史学 The History of Art

大学院

美学美術史学の専任スタッフは2名で構成され、それぞれ西洋中世・キリスト教美術史,日本中世・近世絵画史を専攻する。 このことから分かるように、当研究室は美術史学を柱として成り立っている。美術作品を通じて、歴史を再構成することを主要な研究対象とし、資史料に基盤を置きつつ、様式論など作品の形式面について論究する伝統的な研究手法を中心に捉えているが、一方でニューアートヒストリー登場以後の新しい研究動向も広く視野に入れた教育と指導を行っている。これによって史学を原点としつつ、哲学や思想、文学、比較文化などの人文学諸領域への視野も広げることが可能である。当研究室は仏教やキリスト教といった宗教美術研究、および世俗画を中心とする日本絵画研究において長い伝統と豊かな蓄積がある。しかし一方でスタッフの専門性に限定されることなく、他領域の専門家も輩出しており、他大学や他研究科の出身者も数多く引きつけている。 指導方針としては、研究テーマ・対象の選択は学生の自主性にゆだね、学生による演習発表を中心に修士論文、博士論文の完成に向けて段階的な積み上げをはかってゆく。場合によっては個人面談等も実施し、それぞれの志望や個性に合わせ、できる限りきめ細かな研究指導を行うことを旨としている。専任スタッフのみならず、各学期、非常勤講師に講義を依頼することで、学生の関心に合わせた授業の開講も行っている。研究者養成に向け、博士課程の前期後期一貫したカリキュラム構成によって課程博士号の学位取得を最終的な目標として設定し、そこに至る過程において、学会での口頭発表や論文掲載等を積み重ねて行き、研究実績の蓄積をめざす。これまでのところ後期課程の学生の多くが日本学術振興会特別研究員に採用されている。また、美術館・博物館学芸員としての高度専門職業人の養成も研究室の主要な柱であり、継続して多くの学生がこの方面に巣立っている。また、社会人学生の受け入れも積極的に行っている。

学部

 美術というものは、学問の対象というよりは、絵を上手に描くなど、実践的な創作活動の方が普通にはなじみ深いかもしれません。美術の研究など、一部の愛好家だけのものであって、普通の日常生活には関係ないと考えている人も多いでしょう。

 しかし私たちの周りには絵や彫刻だけでなく、イラストや写真をはじめ数多くのイメージがあふれています。それらは知らず知らずのうちに私たちのものの見方を規定する力を持っています。よくできた商業広告は、私たちの購買意欲を刺激し、社会に流行現象を生み出します。マスメディアが発達する以前には、絵画や彫刻が同じような影響力を持つ場合もありました。

 このように考えれば、美術品もまた私たちの日常とは無関係なものではなく、むしろまったく逆に、人間が生きることの根底にかかわる力を持っていることが分かると思います。イメージの不思議な力に惹きつけられたとき、誰でも美術史学への一歩を踏み出したことになります。

 百聞は一見に如かずということばもあります。イメージは時にはことばを超えた感動や衝撃を人に与えます。しかしそれだけに、形も定まらないまま私たちの内面を通過してしまいがちでもあります。衝撃の渦にただ流されてしまわないようにするためにも、イメージの持つ力や効果、あるいはイメージが歴史上はたしてきた役割などについての客観的な認識を善い面も悪い面もともに押さえておく必要があります。

 美術史学は、他の人文学の領域と異なり、文字で構成されない非文字史料を扱います。そこにこの学問の特性がありますが、造形作品を通じて人間の思考のあり方を解明するという課題においては、文字を扱う文献史学、文学、哲学、思想など人文学全体への視野が自然と広がってゆき、人文学諸領域に対する幅広い視野を得ることができます。

 造形作品を見た際の感性の働きを、的確に言語化してゆくことが研究の始まりです。感覚の波を受け止めるところから美術史学の勉強が始まりますので、日ごろから美術館や寺院へ見学に出かけるなどして、様々なイメージに慣れ親しんでもらいたいと思っています。

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